[考察] ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ(JHDC)で勝ち上がるためのコツとは?
ジャパンハンドドリップチャンピオンシップとは?
ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ(JHDC)とは日本スペシャルティコーヒー協会が主催するハンドドリップの日本一を決定する競技会です。2012年に誕生してから日本の文化や時代背景を取り込み、ルールやスコアを改善しながら今もなお進化し続ける競技会となっています。
家庭から喫茶店まで最もポピュラーな抽出方法「ハンドドリップ」ですが、同じコーヒー豆を使用しても異なる味になるのが醍醐味。出場者のアプローチの違いや抽出に関する考え方が楽しめるのが見どころです。
出場するための条件とは?
参加資格はいたってシンプルで「16歳以上の方」のみ!!
国籍も日本語が可能であれば不問で老若男女国籍問わず幅広い方が参加することができます。
ちなみに参加登録費は執筆時点で(2024年10月)日本スペシャルティコーヒー協会会員が13,200円、非会員が18,700円となっていました。
決勝戦に出場するためには?
まずは予選会に参加
ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ(JHDC)ではまず全国5会場で予選会を行います。
予選会の競技内容はドリップ競技のみとなります。
予選はトーナメント方式で行い各ブロックの上位1名、最大16名が決勝大会が開催される東京ビックサイトSCAJイベントステージへと進出することができます。
ちなみに2024年度の予選は神戸市、福岡市、札幌市、仙台市、東京都港区で開催され、神戸市からは4名、福岡市からは4名、札幌市からは2名、仙台市からは2名、東京港区からは4名の計16名が決勝大会に進出しました。
具体的な競技概要について
- 競技時間は10分
- 1回戦の競技前に15分のリハーサルがあり(2回戦以降はなし)
- コーヒー豆は日本スペシャルティコーヒー協会が提供する豆を使用。
- 競技にしようするコーヒー豆は当日に発表され、リハーサル、競技用として250g支給される。
- 抽出器具やサーバー、グラインダー、水、デジタルスケールは日本スペシャルティコーヒー協会が用意する公認製品から選択。
- 競技時間内に抽出A(150ml以上200ml以下)と抽出B(300ml以上400ml未満)の2つを抽出
- 2人のセンサリージャッジが競技エリアから視界が遮断されている審査エリアでジャッジを行う。ジャッジ内容は抽出の均一性と抽出Bのコーヒーを用いた味覚審査。
- テクニカルジャッジは抽出量の確認、衛生面、適切な器具の使用をしているかジャッジ。また競技スペースの整理整頓ができているか確認。また抽出されたコーヒーの温度測定を行う(60℃未満は減点)。
予選を突破したら決勝大会
各ブロックの予選会を通過した16名で争われる決勝大会!
競技内容は予選会のドリップ競技に加えフリー競技(プレゼンテーション含む)で行われます。
競技で使用されるコーヒー豆は決勝大会の1か月前に事前配布され、課題で与えられたコーヒー豆をいかに美味しく淹れられるのか各々が考えてきたアプローチをプレゼンテーションしながら抽出していきます。
決勝大会の様子は公式YouTubeでもみることが可能です。
※2024年度は新田珈琲 新田和雄さんが史上初の2連覇を達成しました。
おめでとうございます!!
具体的な競技概要
ドリップ競技について
- 競技者は15分のリハーサル時間と10分の競技時間が与えられる
- 大会で使用するコーヒー豆は決勝大会の1か月前に練習用として1㎏配布。
- 競技で使用するコーヒー豆は当日配布され、練習用に配布したコーヒー豆を競技に使用することは不可能。
- その他の概要は予選と同じ
フリー競技について
- 競技者は5分の準備時間と10分の競技時間が与えられる
- プレゼンテーションを行いながらサーバーに抽出A、抽出Bの異なる量のコーヒーを抽出。3名のジャッジに各サーバーから1杯ずつ計6杯のカップを提供する。
- センサリージャッジ3名、テクニカルジャッジ1名によりプレゼンテーション内容・味覚・サービス技術を評価し、抽出Aと抽出Bのコーヒーの味覚の均一性が評価される。
- ドリップ競技とフリー競技の得点を合算して総合得点を出し順位を決定する。
表彰に関して
ちなみに優勝者にはトロフィー、賞金10万円、副賞、賞状が授与されます。
順位は8位まで決まり2位と3位にはトロフィー、副賞、賞状が授与、4位から8位は賞状が授与されます。
競技で勝ち上がるためのコツは?
ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ(JHDC)の予選会に出場した方のブログを多数拝見したところ、難所がいくつかのパターンに分かれていると感じました。あくまで今回紹介するコツは出場者のブログを多数拝見した個人の考察です。
①競技会特有のプレッシャー
これが最も多い難所だと思います。
「本来の力を出していれば、、、」
「緊張であたふたしてしまい」
など多くの失敗談が見受けられました。
やはり競技会ということで特有の緊張感が伴います。
そしてこの緊張に打ち勝つためのトレーニングは普段行うことは難しく、競技者のこれまでの経験や忍耐力などが多く携わってくると思います。
唯一対策できるとすれば練習の時点から競技で使用するコーヒー器具を使用することです。
緊張している状態で初めて使う器具や慣れない器具を使用すると、行き詰った際に頭が真っ白になってしまい再起不能に近い状態になってしまいます。
最も多い失敗談として「使用するグラインダーに慣れていない」というのが多かった気がします。「普段使い慣れていないグラインダーで行き詰ってあたふたしてしまいパフォーマンスが落ちてしまった」を防ぐためには、家庭用グラインダーとして少し値段は張りますが競技で使用できるグラインダーを準備して使い慣れることも大切な練習の1つだと感じました。
②コーヒーに関する知識を蓄える
ハンドドリップの抽出技術を争う競技会ですがコーヒーに関する知識も大切になります。
というのも予選会では競技で使用されるコーヒー豆が当日配布となります。生産地や焙煎度など与えられたコーヒー豆のプロフィールを元にレシピを作っていく必要があります。
また頭の中で作ったレシピを修正するリハーサル時間が15分しかないため、短い時間の中で修正できるアプローチの知識が求められます。
ちなみに課題豆の発表から競技の開始までは1時間程度の時間があるらしいので、この1時間を使って頭の中でシミュレーションを繰り替えし色んなパターンを想定しておくのも勝ち上がるポイントになるかもしれません。
③時間オーバーだけは防ぐ
意外と多かったのが時間オーバー。
緊張と慣れない場所で慣れない導線でコーヒーを抽出するのが原因だと思われます。
ちなみに10分の競技時間をオーバーすると20点の減点。
予選ブロックを勝ち上がるために最低でも85点以上は取っておきたいため、時間をオーバーした時点で実質競技は敗戦となる可能性が高そうです。
④後片付けを忘れない
競技開始前にリハーサル時間が15分与えられます。
この短い時間の中でレシピを修正するとても大切な時間ですがここにも盲点が!
競技はリハーサル時間の15分が終了した後にすぐに行われます。
しかし、競技開始時点でリハーサル時に使用した機器を片づけておかなけれ減点の対象になります。ちなみに後片付けを怠ると10点の減点。
90点スタートになるのはなかなか厳しい戦いになり勝ち上がる確率はぐっと低くなってしまうのでリハーサルの時間15分の中で後片付けまで行うのを忘れないように心掛けましょう。
まとめ
ジャパンハンドドリップチャンピオンシップは最も親しまれているハンドドリップの日本一を決定する競技会です。ハンドドリップでより美味しいコーヒーを抽出するために各競技者のアプローチの仕方などが楽しめ、見るだけでも学びになる競技会なのでハンドドリップの技術を向上させたいと考えている方はぜひYouTubeで視聴してみてください。
私自身もいつかこのハンドドリップチャンピオンシップで競技者として参加することを目標に日々練習を重ねていきたいと思います。
一緒に頑張りましょう。
そしてぜひ応援もよろしくお願いします。
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