インフューズドコーヒーとは?なぜコーヒー業界で問題視されているのか?

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インフューズドコーヒー

インフューズドコーヒーとは?なぜコーヒー業界で問題視されているのか?

近年のスペシャルティコーヒーブームの中で賛否両論の渦中にいるinfused coffee(インフューズドコーヒー)というコーヒーの存在はご存知でしょうか?

今回はこのインフューズドコーヒーとは何か?
なぜ問題視されているのか?解説していきたいと思います。

インフューズドコーヒー?聞いたことないけど

新しいコーヒーならコーヒー好きとして気になる!!

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インフューズドコーヒーとは?

infused coffeeとはどんなコーヒーなのか?
「infusion」を和訳すると「注入された」という意味になります。

つまり人工的に風味が作られたコーヒー
それがインフューズドコーヒーです。

実際にどのようなものを使用し風味を注入するのかというとシロップやフルーツ、スパイスなどにコーヒー豆を漬け込むことで風味を作っています。

世界的バリスタが語るインフューズドコーヒーの問題

競技大会における問題

画像引用:tsujimoto-coffee.com

近年はカップ・オブ・エクセレンスや全国ブリューワーズカップ、バリスタコンテストなど、権威あるコンテストで珍しい風味のコーヒーが優勝する傾向が見られますが、もしこれらの競技大会にインフューズドコーヒーが出場したらどうなるでしょうか?

コーヒーの美味しさを競う大会に、他のもので美味しさを添加してしまったらそれはもうバリスタの技術の戦いでは無くなってしまいます。実際に競技大会でもインフューズドコーヒーとは知らずに豆を使用し優勝した実例もいくつか存在します。

コーヒー生産者における問題

サシャ・シェスティッチ氏にはこんなエピソードがあります。
タイ友人から「面白いコーヒー屋ができたよ」と豆を送ってもらったのですが、その中に明らかに異様な、圧倒的なライチフレーバーの豆があったそうです。そのコーヒー豆はコーヒーで感じるほのかな果実感をはるかに超えた人工的ともいえる強いフレーバーでした。

パッケージの裏には”Special Process”とだけ書かれてあって、どんな作り方のコーヒーなんだろうととても興味が湧きました。焙煎している人、生豆を仕入れている人にまでたどり着いて、ゆくゆく聞いたらライチのシロップを漬け込んで作られているコーヒーとわかりました。「それならライチのシロップに漬け込んで作っているコーヒーだと書いてくれれば、もやもやせず楽しめたのにな」と思ったそうです。

このように、コーヒー以外のフレーバーを移してつくったという情報が不透明なまま流通してしまっていることが起きています。それによって、真面目にピュアな品種や貴重な品種を過酷な環境で育てている生産者が報われなくなってしまうという問題がおこります。

<元の記事>
世界バリスタチャンピオンが語るインフューズドコーヒーの問題https://perfectdailygrind.com/

インフューズドコーヒーの見分け方

コーヒーに人工的に注入された証拠を確認するにはいくつかの方法があります。

最も正確な方法は、コーヒーを研究所に送ってガスクロマトグラフィーなどの方法で検査してもらうことです。しかしこれには費用がかかり実用的な方法ではありません。

またカッピングをすればある程度の見当はつくかもしれませんが、経験の浅い人にとってはこれも十分ではないかもしれません。そこで今回は誰でも簡単に確認できる手順を紹介します。

  1. 生豆のコーヒー豆を粗く挽きます。
  2. 挽いた生豆20gをボウルに入れ、40℃のお湯を注ぎます。
  3. 約15分程度放置したら味見をしてみます。お湯から強いジャスミン、バラ、シナモンの香りが感じられるなら、そのコーヒー豆はインフューズドコーヒーの可能性が高いです。

本来であれば焙煎するまでこれらの香りや風味がするはずがないので生豆をお湯に浸しただけでフレーバを感じるのであればインフューズドコーヒーだと考えられます。

インフューズドコーヒーのいい所

嗜好品として楽しめる

コーヒートニック 画像引用:https://postcoffee.co/magazine/coffee/coffee-tonic-water/

インフューズドコーヒーはコーヒーなのか?と日々議論されていますが嗜好品としてコーヒーを楽しむ分には問題がないのも事実です。

コーヒーというカテゴリーの中にもいろんな飲み方が存在しており、有名なのは抽出したコーヒーに人口甘味を加えるアレンジコーヒーです。

もっと具体的に表すとスターバックスコーヒーなどで販売しているキャラメルラテやマキアートなどがこのカテゴリーに該当します。

その他にもコーヒーに炭酸水を加え、柑橘系のエキスや香草をいれたコーヒートニックという飲み物があります。これは近年コーヒーが飲めない層でも飲めるコーヒーとしてじわじわ人気となってきている飲み方です。

これらの飲み物はコーヒー業界でも認められ不動の人気を誇る飲み方となっていますが、インフューズドコーヒーもこれらと同じくコーヒーを楽しむ飲み方の1つとしては問題がないはずです。

先ほども述べたようにインフューズドコーヒーで問題になっているのは情報の不透明化であってインフューズドコーヒー自体はコーヒーを楽しむ幅が広がる飲み方だと思っています。

コーヒー農家を救う存在になる可能性も

近年コーヒー業界で問題になっているコーヒー2050年問題。
これは気候変動によりコーヒーの生産量が減少してしまうコーヒー業界においては致命的な問題となっています。

生産量が減る原因としては以下の3つが挙げられています。
1、気候変動による品質の低下
2、病害や虫害による生産量の低下
3、経済的困窮による生産者の減少

気候変動が進むと現在人気のスペシャルティコーヒー(最高級のコーヒー豆)の生産の難易度もどんどん高くなってきます。そしてもちろん質の悪いコーヒー豆は売れるはずもなくコーヒー生産者の生活は困窮していくという悪循環が生まれます。

そんなコーヒー2050年問題に対してインフューズドコーヒーは解決の突破口となる可能性を秘めています。

競技大会でルール違反だったとはいえインフューズドコーヒーが他のスペシャルティコーヒーを抑えて大会で優勝するくらい美味しいコーヒーだというのも事実です。

しっかり情報開示を行い、何を使用して製作したインフューズドコーヒーなのかを表記することで、品質が低下したコーヒー豆も商品として販売することができコーヒー農家の収入源になるはずです。

まとめ

インフューズドコーヒーは近年新しく生まれた精製方法で作られたコーヒーです。
ただその精製製法は人工的に風味を作るため近年コーヒー業界で賛否両論のあるコーヒージャンルとなっています。


最も問題になっているのは情報の不透明化で、インフューズドコーヒーとは知らずに競技大会で使用され優勝するケースや、貴重な品種を過酷な環境で育てている生産者が報われないという問題がおこります。

しかし、嗜好品としてコーヒーを楽しむ分には一切問題はなく、競技大会でルール違反だったとはいえインフューズドコーヒーが他のスペシャルティコーヒーを抑えて大会で優勝するくらい美味しいコーヒーだというのも事実です。

インフューズドコーヒーに対して批判の意見もありますが、問題なのは情報の不透明化であってインフューズドコーヒーではないと思います。

新しいコーヒーの楽しみ方。インフューズドコーヒーを皆さんもぜひお楽しみください。

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