コーヒードリッパーのリブの役割とは?リブの形から考える焙煎度に応じたアプローチの違い

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コーヒードリッパーのリブ

コーヒードリッパーのリブの役割とは?
リブの形から考える焙煎度に応じたアプローチの違い

コーヒーを淹れる際に使用するドリッパーにリブと呼ばれる部分があるのを知っていますか?
ドリッパー内部に刻まれた“リブ”構造は、単なるデザイン上の工夫ではありません。


実はこのリブが、フィルターと本体の間に適正な空間を保持し、抽出速度と均一性を制御するという大切な役割を果たしていました 。皆様の1杯がより理想のコーヒーとなりますように、今回の記事ではリブに焦点を当てて解説していきたいと思います。

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リブってそもそも何?

画像引用:https://cafend.net/difference_dripper/

「リブ:Rib」は英語で「肋骨」という意味をもつ言葉で、よく馴染みのある言葉としてお肉で使われるスペアリブなどが有名です。

コーヒーを抽出するドリッパーにもリブと呼ばれる部分が存在しており、ペーパーフィルターとの間に空気の道を作る大切な役割を担っています。

コーヒーの抽出においてこの”リブ”の形が肝になってくるため多くの製造メーカーでも試行錯誤しながらリブの形や高さ・本数を調整し、より美味しいコーヒーが抽出できるための工夫がなされています。

具体的なリブの役割は大きく3つ!

1、お湯と空気の通り道を確保する

ペーパーフィルターは紙でできているのでお湯をかけると
ドリッパーの内壁にぴったりと張り付いてしまうため

もしリブがなければ…
→お湯がスムーズに流れていかない
→粉の層を通らず壁面を伝ってそのまま落ちていく
→押し出された空気が逃げ道を求めて上昇しコーヒー粉の表面を突き抜ける

などのトラブルが生じコーヒーの味に雑味やムラが生じてしまいます。

リブがあることで問題が解決!!

ペーパーが壁に貼りつかない
 リブがあることで、ペーパーフィルターがドリッパー内壁に密着するのを防ぎます。これによって空気の通る道(空気層)が確保され、お湯がスムーズに流れ、詰まりによる抽出停止を避けることができます。

蒸らしを円滑にする
 コーヒー粉にお湯を注いだ際に発生する空気がリブがつくる隙間から逃げるため、逃げ道を求めて生じる逆噴射による蒸らし効果の低下を防ぎます。

2、お湯の流量・スピードを調整する

リブの数・深さ・形状(直線/螺旋)は抽出速度に強く影響します。

  • リブが多く・長い/深いタイプ
    → 抽出が速く、水が素早く抜けるため軽やかで爽やかな酸味を引き出しやすい
  • リブが少ない/短い/下部だけ
    → 抽出が遅く、粉との接触時間が長いためコク・甘み重視の味わいを引き出しやすい
使用例と設計意図のバリエーション
  • Hario V60(螺旋リブ):螺旋状のリブが空気層を保ち、水の流れを制御。均一抽出とスピーディな抽出を両立
  • Kasuyaモデル(V60ベース):下部にリブを設けずに抽出を遅くしコクを出す設計。
  • CAFEC FLOWERタイプ:上下のリブと下部の突起で過抽出防止と空気層維持を同時に実現。
  • Rivers CAVE Reversible:表裏で異なるリブパターンを持ち、味の調整が可能

3、蒸らし・ガス抜きを助け風味を整える

コーヒー粉の中には焙煎の過程で発生した炭酸ガスなどの空気が含まれており
この空気が抽出の際にお湯を注ぐことでコーヒー粉の外へと押し出されてしまいます。

リブがあることにより炭酸ガスが紙と壁の間の空間から逃げやすくなるため、蒸らし時の膨らみが促進され、抽出が均一になりやすくなります。

  • CO₂の除去を助ける構造
     挽いた粉を湯で湿らせると炭酸ガスが発生しますが、リブにできた隙間からガスが逃げやすく、粉の膨らみ(ブルーミング)が均一に進みます。
  • 抽出の質を高める効果
     炭酸ガスがしっかり抜けることで、お湯が粉に均一に浸透し抽出が均質化。また、抽出開始直後の蒸らしが効果的に働き、風味成分を逃さず抽出できます。

リブ設計と焙煎度の関係性

焙煎度と抽出の特徴

浅煎りの場合
  • 特徴酸味や繊細な香りが際立ち、クリーンな味わい
        抽出しにくいため、お湯を長めに当てる必要がある 。
  • ポイント:しっかり蒸らし、注ぎの時間や温度(83–86℃前後)を丁寧に調整するのが大切。
深煎りの場合
  • 特徴ロースト由来の風味(チョコやスモーキー)が強く、ボディが重めで、酸味は控えめ
        成分が出やすい
  • ポイント:過剰抽出を防ぐために、蒸らし後は「そっと注ぐ」ことでドーム構造を壊さないようにするのがコツ。

リブ設計との関係性

ドリッパー内部のリブ(溝)はお湯の流れや抽出速度を調整する重要な要素の1つです。

  • 直線リブ(ストレートリブ):お湯がより早く流れる → さっぱりした味わ
  • 螺旋リブ(スパイラルリブ):流速がゆったり → 濃厚&深い味わい
浅煎りとの相性

螺旋リブ × ゆっくり抽出が効果的

  • お湯がじっくり粉層に浸透 → 酸味や香りが十分引き出せる。
  • リブにより空気抜けがよく、「しっかり蒸らす」環境が整う。
深煎りとの相性

直線リブ × 早めのドリップ効果的

  • 成分の抽出が進みやすいため、流速を早めにしてスッキリとした後味に。
  • ドーム構造を保てる設計だと、雑味を出にくくする効果も期待。

まとめ

ドリッパーのリブは抽出の流速・接触時間・湯の抜け方に影響を与え、味わいの調整と再現性に大きくかかわってきます。リブの形や長さなどでもコーヒーの味わいが変化するため自分好みのコーヒーが淹れられるドリッパーを探すのもコーヒー好きの醍醐味の1つかもしれません。

個人的に初心者にオススメしたいのは「HARIO V60」

デザインの融通性や性能の高さはもちろん!
1つ500円以内で買えるというコストパフォーマンスの良さ!
ぜひお試しください。

この記事が明日からのコーヒータイムの参考になっていただければ幸いです。

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